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1. 参加者中心の参画型研修です
参加者が自ら手を動かし、説明し、討議し、発表するという
双方向型のアクションラーニングを大胆に取り入れています。
研修時間の大部分を演者(講師)が話をして最後に(または途中に)質疑応答の時間を適宜設ける、
といういわゆる講演形式の一方通行型トレーニングは
少しずつ減ってきてはいますが、マーケティング研修においてもまだ多いのが実態です。
こうした一方通行型トレーニングが依然として多いのには理由があり、
それはこの方法の持つ以下のメリットによるところから来ると思われます。
メリット① 短時間に大量の知識を伝達することができる
(受講者にとっての収納・受容・吸収効果は別として)
メリット② トレーナーにとっては研修が準備・計画しやすく、
計画通りに進行させるコントロール可能性が高い
メリット③ 受講者にとっては集中して聞いていることが求められるが、
受け身での受講で良いので、発言、意見表明や作業をさせられることが少なく、
(不幸にして)質問さえ当てられなければ、ほぼ一切のリスクが無い
「安全な研修時間」を過ごせる
このように一方通行型トレーニングの代表である「講義中心型の研修」は、
これらのメリットゆえに、今後も無くなることは無いでしょうが、学校教育のなかで
既に判ってきた通り、特定の目的には向くもののその効果はやはり限定的です。
さらに、この方式での研修によって一番利益を享受するのは誰であるかを考えてみると、
実は受講者であるよりも研修を実施するトレーナー自身である場合が多いのです。
それは、研修を実施する一連のプロセスのなかで、トレーナーは
自ら準備(予習)をして
資料(プレゼンスライドなど)をそろえ、
さらに本番で「すべて自ら説明する」
という研修を実施するので、内容に関してもっとも理解が深まるのは
トレーナー本人だからです。
ですからこうした一方通行型トレーニングの学習効果は
トレーナーにとって最大で、参加者にとっては最小になりやすい
という事実は覚えておいたほうが良いかもしれません。
これに対して、ワークショップなどを活用した参加者中心の参画型研修とは、
研修参加者がコンテンツを講義などから学ぶだけでなく、
自らの言葉でその内容をまとめ、振り返り、さらに事例研究、活用方法討議などといった、
内容理解を深め確認するのに役立つアクティビティーを行う研修をさします。
こうすることによって、参加者を受け身の「受講者」(講を受ける人...とは言葉からしても受け身ですね)のポジションから研修の主役・中心に持って行きます。
トレーナーが主導する計画されたプログラムの中で自律的・能動的に学ぶプロセスを経験してもらう訳ですが、準備としてはコントロールの効く講義よりもはるかに難易度は高くなります。
もちろん一定の量の「教え込む」というプロセスが必要なことはどんな研修にもあるわけですが、
少なくとも大人(社会人)の学習は、小・中・高の学校教育で行われる「勉強」「受験学習」とはかなり違うユニークな特性をもっていることをトレーナーは理解していなければなりません。(これを「成人の学習理論・学習原則」と呼びます。)
私自信が「成人学習の原則」を知ったのは外資系製薬会社でマーケティング部門から
教育研修室に異動し、米国本社でトレーナー向けの研修を受けていたときです。
その後、日本にもどってからも研修に携わっておりましたが、不幸にして「成人学習理論」という
言葉を日本の社会人教育の実践の場であまり眼にすることはありませんでした。
「欧米のトレーニング関連の書籍なら必ずと言っていいほど出てくる概念なのに」と不思議に思ったものです。
「成人学習理論」とは簡単に言ってしまうと、
大人は、実践的な内容で自分の興味や関心に内容が合致し、
それを学ぶ意味や目的、動機、仕事との関連がはっきりしないと学ばない(興味とかかわらずカリキュラムが決められる学校教育とは相当様相が異なる。)
逆にそれらが確認できれば、大人は自分の経験に即しながら、自ら自律的に学習をすすめることができる、というものです。
こうした特徴を理解したうえで、学校で行う教育とは違った社会人学習の応用法が種々考えられています。
「参画型研修」というのはその代表例です。
2.研修のプロセス(過程)を大切に考えます
自分のことを振り返ってみて、これまで一体どれくらいの「研修」を体験しましたか?
そしてその効果の持続時間はどうだったでしょうか?
こうした「研修」は例えそれが2泊3日のスケジュールのものであったとしても、
その場で「完結」してしまうタイプのものであれば、残念ながら参加者にとっては
一過性のイベントとなって終わってしまいがちです。
研修の場では一定の感動や経験・知識を習得できたと思っても、それを想い起こしたり、
実際の業務に応用させることは研修後の「個々人の課題」とされてしまい、
なかなか実行は難しいものです。
研修後まで含めて、参加者に本当の「学び」が起きるように設計されなければならないものだと
考えます。
研修がイベントとしてそれ自身で完結してしまうような構造を持てば持つほど、
実は業務への応用が本当には期待されていないことを「公言」してしまっているのです。
マーケティングインサイツの主催する研修では、基本的に事前課題、
研修開始時のアセスメント、事後課題、研修終了後適切なタイミングにおけるフォローアップなどを、
計画的にあらかじめプログラムとして組み込みます。
こうして研修を一過性のイベントではなく、参加者にとっての「学びのプロセス」に
してゆくのです。
3.チーム学習を取り入れています
マーケティングにはいくつかのセオリーは存在しますが、それらの多くは
「多数の臨床経験から導かれた治療上の原則」のようなもので、
すべての事象にいつもあてはまる「唯一の正解」ではありません。
このため、参加者自身が既に持っているこれまでの「経験」を大事にして、
それらの経験をチーム内で共有したり、経験の意味付けを整理・理解するための
ワークショップは重要であり効果的です。
それは、「正解」の無い、応用問題の連続であるマーケティングにおいて最も貴重な
「多様な視点」をチームやクラス全体の議論の中から得ることができると言うことです。
新しい視点を得ることは、新知識を得ることとは違った質的な転換を参加者に与えます。
知識が増えても見える世界が変わることは期待できません。
しかしひとつの新たな視点が得られれば世界を違った観点から見ることができます。
自分の固有の視点が持っていた盲点に気づくことも可能になります。
こうしたことは、失敗するというリスクの無い安全な環境の中で、
ワークショップで討論を重ね、自分の今までの経験を役立てながら、
グループ内で互いに学びあい、時に教えあう能動的なプロセスを、
チーム学習のメリットとして大切にします。
4.学んだことを実践してみようと思うしかけがあります
研修参加者が、学んだ内容を実際に自分の実務に結び付けて応用するために重要なことは何でしょう?
それは、自分の業務の中では一体どんな選択肢や可能性がありうるか、
また自社の課題をどのように整理して進めるべきなのか等々の「実践に向けた応用上の課題」について、
自分なりの見通しを研修中にその場で付けることです。
こうした見通しについて、参加者が自分なりに考え、文字にし、
さらには他人に自分の言葉で説明してみるという時間をかけた「作業」によって初めて
「自分の腹に落ちた」研修になると考えています。
このような「見通し立て」という決定的に重要な作業をする時間を「研修中に確保する」のか、
それとも「あとは職場にお帰りになって各自で」にするのかどうかは、
実践応用の可能性に大きく影響を与えます。
参加者は職場にもどれば、多くの場合滞っていた「日常業務」が押し寄せて来て、
自分であらためて研修を応用するための作戦を立てる時間が取りにくいのが現実です。
したがって学んだ事を実務で応用したり実践するために必要な作業の多くを、
研修中に時間を取って課題として組み込むことが必須なのです。
参加者の自主性・自立性を重視した参画型研修、プロセスとしての研修プログラム構成、
チーム学習による多様な視点の学習などもいずれも、職場に戻って実践につなげるための
一連のしかけです。